固定電話には確かにメリットはあるのですが、使わないのに所持しているだけで料金がかかるのも確かです。
ほとんど使わないなら処分してしまうのもいいかもしれません。しかし問題は処分方法です。電話機自体は捨てたりリサイクルショップに買取りをお願いしたりできるとして、電話の権利はどうすればいいのでしょう?電話と取り外せばそれでOKなのでしょうか?
そこで今回は、電話加入権の処分方法について分かりやすくまとめてみました。
電話加入権の処分方法は色々!まずは検討を
電話加入権の処分方法として最たるものは「売却」です。もう使わないのであれば誰かに売ってしまえばお金が手元に入りますし、いらない権利も処分できて一石二鳥です。
どうせ電話を使わないなら権利だけ取っておいても無駄なので、電話機を処分すると同時に電話加入権もすっきり処分してしまいましょう。
ただし、電話加入権を処分する前に考えておくべきことがあります。それは、売却以外の方法もあるということ。
- 解約
- 移転
- 休止
- 中断
- 譲渡
という5つの方法があります。
電話は現時点では不要だけれど将来的に子供が進学した時にアパートの一室に引きたい等の理由があれば、別にすぐ処分せずに他にも選択できる方法があります。
売却以外の5つの方法
解約
電話の権利自体を解約してしまう方法。
売却のように金銭は手に入りませんが、売却より手続きが楽というメリットがあります。売却をしても二束三文でしか買ってくれるところが見つからず手続きの時間が惜しいという場合は、解約をしてしまうのも一つの方法です。
移転
その場所で電話を使わなくなったとしても、引っ越し先や単身赴任先へ電話を移して使うことができます。
「〇月〇日に引っ越すので、引っ越しの日に合わせて旧住所の電話を止めて、引っ越し先で使えるようにしてください」という要望も電話一本で可能です。
手続きも電話一本で可能ですので、引っ越し前の旧住所で使わないからすぐに解約や売却を考えるのではなく、引っ越し先でネットを使うならこの方法で電話を移すことも検討してみてはいかがでしょうか。
休止
今は使わないからといってすぐに処分を考えずに、まずこの休止という方法を検討してみるのもいいでしょう。
休止とは、使わない電話加入権をNTT側で預かってもらう方法です。預かり期間は10年間ですので、電話は現時点で必要ないけれど将来的に子供が使うかもしれないという場合は休止しておくのも方法の一つです。休止をしておくことによって新規で契約する必要がなく、新たに電話加入権(中古も含めて)を購入する必要もありません。「休止していた権利で電話をつけてください(復活させてください)」と連絡すればすぐにつけてもらえます。
なお、休止をしていた権利は必ず同じ人が復活させる必要はありません。母親名義の電話加入権を子供が使うこともできますし、伯父や叔母の権利を姪や甥が使うこともできます。親族内で使い回しができるということです。
中断
こちらも電話加入権を預かってもらう方法です。
休止と異なるのは、再開した時にまったく同じ番号を使うことができるという点と、預かってもらえる期限は無期限である代わりに毎月の回線使用料を支払う必要があるという点です。固定電話が不要という人は使用料の支払いも考えて処分を検討しているでしょうから、現実的ではない方法ではあります。
ただ、「単に今は使わないからいらない」という人にとっては検討の余地ありの方法です。知っておいて損はありません。
譲渡
電話加入権は手続きをすることで第三者へ譲渡することもできます。
譲渡するくらいなら売却してしまった方がマシと考える人もいるかもしれませんが、この方法でも電話加入権を処分すること自体は可能ですので選択肢の一つとして覚えておいて損はありません。
電話加入権売却のデメリット
これらの方法と自分の固定電話の利用状況を考えた上で「それでもいらない」ということであれば、売却を進めるのがいいでしょう。
休止や中断は権利が残ることに対し、売却をすると権利は自分の手から離れます。
また、手続きが比較的簡単な解約よりも、「誰かに売る」ということですから、手続き面で少し面倒になることも覚悟しておきましょう。お金が手に入るというメリットだけでなく、こうしたデメリットも合わせて売却を考えることが必要です。
電話加入権の買取りとは?まずは買取業者を見つけよう
電話加入権を買い取ってもらうためには、まずは買い取り業者を見つけるところからはじめなければいけません。それぞれの地域にリサイクルショップがありますが、普通のリサイクルショップでは権利の買取りはしていません。
権利の買取りをしているお店、または電話加入権の権利買取りを専門にしている業者がいますので、それぞれの業者を調べ、信用が置けるかどうか口コミもチェックしておきましょう。また、買取りページを見て、手順はどうなるのかもよく確認しておきましょう。
電話加入権の買取りの手順
電話加入権の買取業者を見つけたら、次の手順で手続きを行いましょう。
※業者によって手順が異なる事もあります。
買取業者ホームページ上の申込フォームに必要事項を記入
必要書類の準備
- 電話加入権の休止表
- 加入権名義人の印鑑証明書
- 加入権譲渡承認請求書
業者から発行される買取用紙に必要事項を記入
必要書類と買取書類を業者へ郵送
支払い
手続きはインターネット上からも受け付けてくれる業者がほとんどです。基本的にはネット上で申込フォームを記載して送信し、業者側から返信をもらって進めていきます。
普通の服やCDの買取りであればこの後に業者へ品物を送ってという流れになるのですが、電話加入権の場合は権利ですので普通の服やCDのような形での買取とはちょっと違います。
電話加入権が実際に存在しているかを確認し、その上で買取可能であれば譲渡などの諸手続きに協力する形で業者へと売却をします。
手続きの際には本人確認書類・印鑑証明書・電話加入権の休止表等の書類が必要になります。申込をすると業者が必要な書類を伝えてくれますので用意しましょう。
なお、CDや本だと業者に送って早ければ数日以内に売却代金が振り込まれますが、電話加入権の売却の場合は業者に売却すると共に譲渡などの手続きもする必要があるため、もっと日数がかかります。
即日売却できるということはまずありませんので、時間は一週間以上を見ておきましょう。必要書類の準備に手間取ったり、手続きが込み合ったりしていれば、一カ月ほどかかることも覚悟しておかなければいけません。
こんな買取業者には要注意!気をつけるべきポイント
電話加入権の買取業者の中にはトラブルが発生し易い業者も存在します。トラブルが発生しやすい業者の特徴として次の2点が挙げられます。
- 異様に高額な金額を提示している
- 電話加入権であればとにかく高価買取しますと広告している
厳しく査定してくれる業者の方が買取り金額の面で不利に感じるかもしれませんが、買取り手続きにおけるトラブルは起き難いといえます。
例えば電話加入権の売却をしようとしても、その電話加入権で取り付けている電話の使用料金が未納になっていれば基本的に買取りの対象外になります。
また、買い取り手続きの際に譲渡の手続きを一緒にすることが一般的ですので、譲渡の手続きにも協力することになります。しかし、未納がある電話加入権でも気にせず買い取ってくれる業者は、一見親切に見えて手続き時にトラブルになる可能性があります。
電話加入権の売却は「権利」の売却です。服やCDをリサイクルショップに売却するより多少手がかかり、権利の売却であるという性質上トラブルにならないようによく注意して業者を選ぶ必要があります。業者は手続きや査定が多少厳しいくらいのところを選んだ方がかえって後のトラブルを回避できることでしょう。
甘い言葉、買い取りの緩い規定には注意してください。
また、手続きの中で「手順の説明があやふや」「聞いたことにきちんと答えてくれない」「買取り値が当初の説明と違っていた」「必要書類を送ったのに音沙汰梨」という時は、その業者への売却を考え直してみることをお勧めします。
最後に
固定電話が不要なら電話加入権を売却してしまうのも良い選択肢です。
売却すれば必要な人が購入することで権利を再利用できますし、売却することによって金銭も手に入ります。また、不要であれば手元に残しておいても仕方がありませんから、きっちり処分できるという意味でも良い方法であるといえます。
ただ、「使わない」といっても、「どんなふうに使わないのか」を考える必要はあります。
例えば、使わないといっても将来的に使う必要があるなら休止しておけばいいですし、今の住所で使わないだけで転勤先ではインターネットも合わせて使うなら移転という手続きも可能です。
「使わない」イコール「即座に売却」ではなく、まずは他の方法も検討してみて、その上で売却を決意することが大切です。
売却すると権利はもとに戻りません。そのことを念頭に置いて、売却するなら迷いなく手続きを進めていきましょう。
ただし、現在はスマートフォンが普及したため、固定電話の権利自体が昔よりかなり値下がりしている状況です。だからこそ売却に多大な期待を寄せることは禁物です。
「高く売れるかも!」ではなく「処分に適した一つの方法。お金も手に入るし」くらいの気持ちで手続きした方がいいかもしれないですね。