定期預金をしているような方なら、キャッシングやカードローンを利用するといった機会はおそらくないでしょう。
ただ、急な出費などが原因で口座引落しにしているものが支払えないといった場合はどうでしょう。
キャッシングやカードローンでも、申し込んだその日に借入れをすることができます。ただ、金利が高いですし、ましてや、ある程度まとまった金額を借りるとなると初回の利用では難しいケースも多くあります。
かといって、せっかくの定期預金を解約するというのも…
そんな一時的な借入れを面倒な審査などなく、しかも低金利で行う方法があるんです。その方法を紹介していきます。
定期預金担保貸付とは
自身の定期預金を担保にして借入れができるシステムがあるのをご存知でしょうか?
定期預金担保貸付といいます。銀行によっては当座貸越や預金担保貸付などと言ったりしますが、おおよそ同義と思っていただいて結構です。
ここでは定期預金担保貸付という呼び方で話を進めさせていただきます。
この定期預金担保貸付を簡単に説明すると、何かの引き落としがあった際、指定した普通預金の残高が不足していた場合に定期預金などを担保として自動融資されるといったものです。
定期預金担保貸付のメリット
定期預金を解約しなくて済む
定期預金は通常、期日前に解約すると預入期間や商品にもよりますが、約定利率の70%や50%、ヘタをすれば20%や10%という利率で利息計算されることになり、かなり損をすることになります。
さらに、この解約時に適用される利率で計算した利息額が、すでに受け取った中間払利息額より少なかった場合は、その差額を支払わないといけないこともあるんです。
こういった点を考慮すると、定期預金を期日前に解約しなくて済むことがどれだけメリットがあるかということがお分かりいただけると思います。
借入れ時に審査等が不要
先述した自動融資は、普通預金の残高を超えた引き出しや引き落としがあった場合に、定期預金を担保にして自動的に融資を受けるといったものですが、これに関しては総合口座で管理している場合になります。
ただ、総合口座で一元管理しているということで、この自動融資は審査や特別な手続き・申込みをすることなく行なってもらえます。
これが、キャッシングやカードローンであれば申込み手続きをして、審査の際に本人確認書類や収入証明書等の提出を行わないといけませんので、その手間を考えると非常に便利でスピーディーです。
キャッシングやカードローンと比べて金利がかなり低い
アコムやプロミスといったキャッシングであれば、おおよそ金利は4.5%~18.0%に設定されています。また、金利が低いを言われている銀行カードローンでも3%~15%になっています。
それぞれの下限金利が3%や4.5%になっているので、見た感じは結構低い印象を持たれるかもしれませんが、この金利で借りるとなると、500万円や800万円といった借入限度額に近い金額を借りないとこんな金利にはなりません。
では、定期預金担保貸付の金利はどれくらいでしょうか。代表的な銀行の金利を紹介していきます。
りそな銀行
条件:定期預金残高の90%まで、または200万円の少ない金額
対象:スーパー定期・スーパー定期300・りそな自由金利型定期預金等
金利:定期金利+0.5%(0.51%)
三井住友銀行
条件:定期預金 預入金額の90%まで、かつ上限200万円まで
対象:スーパー定期・大口定期・期日指定定期等
金利:定期金利+0.5%(0.51%)
三菱東京UFJ銀行
条件:定期預金 預金合計額の90%まで(最高200万円)
対象:期日指定定期預金・スーパー定期・スーパー定期300・大口定期
金利:定期金利+0.5%(0.51%)
みずほ銀行
条件:定期預金 預金合計額の90%まで(上限200万円)
対象:スーパー定期・スーパー定期300・大口定期預金等
金利:定期金利+0.5%(0.51%)
ゆうちょ銀行
条件:預入金額の90%以内(1冊の総合口座通帳につき300万円まで)
対象:担保定額貯金・担保定期貯金・財産形成定額貯金・財産形成年金定額貯金等
金利:担保定額貯金・各種財産形成貯金を担保にする場合 約定金利+0.25%(0.275%)
担保定期貯金を担保にする場合 約定金利+0.5%(0.525%)
新生銀行
条件:担保預金の合計額の90%または500万円の少ない方
対象:円定期預金・大口円定期預金・スタートアップ円定期預金
金利:1.880%
住信SBIネット銀行
条件:円定期預金残高の90%または200万円の少ない方
対象:円定期預金
金利:1.675%
横浜銀行
条件:定期預金の合計額の90%または200万円の少ない方
対象:期日指定定期預金・自由金利型定期預金・変動金利定期預金等
金利:約定金利+0.5%(0.52%~)
※各行のカッコ内の金利は2016年3月時点のものです
新生銀行や住信SBIネット銀行以外の銀行は0.51%~0.525%といったかなりの低金利になっています。これはキャッシングやカードローンのように金額によって金利が変わるものではなく、限度内の借入れであれば一律この金利になっています。
注意点
総合口座の定期預金があれば特別な審査も手続きもなく、しかも「お金を借りている」という感覚もなく利用できるので、マメに通帳記入するなどの管理をしておかないとマイナスの額が大きくなってしまいます。
また、返済期限が定期預金の満期日までになっていることが多いので「そのうち返していけばいいか」と悠長に構えていると最悪は定期預金を解約しないといけないといった本末転倒なことになりかねません。
このように、借入額が大きくなったり、借入期間が長くなったりすると借入利息が多くなってしまい、結局、受取利息より高くなるなんてことになるので、頻繁に利用するのではなく一時的な利用にとどめて、できるだけ早く返済するといったことを心がけましょう。