タコ部屋は、元々は明治の頃にあった強制労働施設が由来です。借金などの事情により、強制労働施設に送られ、奴隷のような扱いを受け、多くの人がそこで亡くなりました。
とはいっても、それは昔の話。
現代でもそんなものは存在するのでしょうか?その辺りも含めて見ていきましょう。
タコ部屋は元々は強制労働施設のこと
現代では、労働基準法などの労働に関する法律が整備されているので、タコ部屋といった強制労働施設なんてあるわけがないと多くの人が思っているかもしれません。
しかし、昔の強制労働施設のような過酷な環境ではないものの、タコ部屋と呼ばれる施設は現代でも存在します。もちろん違法なのですが、情報が漏れなければ捕まることもありません。タコ部屋に連れて行かれた人は逃げることもできないし、目隠しをして連れて行かれたら、場所もわかりません。
昔のように死ぬまで働かされるというようなことはありませんが、タコ部屋で働いている間にも高額な利息がかかっているので、なかなか借金は完済できません。
一度送られてしまったら人生に大きく影響してしまうでしょう。
どんな人がタコ部屋に送られる?
タコ部屋に連れて行かれる人で多いのが、闇金でお金を借りていた人です。
そもそも闇金からの借金契約は法律的に無効なのですが、そのような知識のない人ターゲットにしているので、騙される人も多いのです。
闇金から借金をして、返済ができなくなると、闇金業者は「たくさんお金を稼げる仕事を紹介しますよ」と言ってタコ部屋を紹介します。ドラマや漫画などでは、風俗で働かされる女性が登場しますが、男性の場合にはタコ部屋になります。
当然ですが、タコ部屋のほうは賃金も高くありませんし、その間も高額な利子がかかっているのでなかなか完済できません。
また、ひどいところでは、「カップラーメン一個1000円」というところもあります。
逃げられないのをいいことに、どんどんお金を搾り取られてしまいます。あまり追い詰めすぎて逃げられても困るので、うまく連帯意識を持たせたりして逃亡させないようにしています。
借金がない人も要注意
「良い仕事があるよ」、「3食住居つきの仕事だよ」などと嘘をつき、道端で勧誘されるケースもあるので要注意です。
最初はおいしいご馳走を食べさせてくれたり、とても良い待遇を受けるのですが、いざ着いてみたらとても過酷な環境、帰りたいと思っても逃げられない、働くしかないということになります。
もしもこういった勧誘を受けても、絶対についていかないこと、個人情報を教えないことが重要になります。
本当においしいバイトなら、道端で勧誘などをしているはずがありません。正規の手続きで募集をすれば優秀な人材が入ってくるのに、わざわざ素性の知れない人を道端で勧誘するということは、それだけ怪しい仕事ということです。
闇金や消費者金融の取立て屋から仕事を紹介されても、絶対に受けてはいけません。
すぐに弁護士や警察に相談をして、解決してもらいましょう。彼らは弱い立場にある人間をターゲットにしているので、情に訴えても意味がありません。
被害に遭わないためには?
そもそも、返せないだけの借金をしないことが一番重要なのですが、中にはギャンブルなどにハマって抜け出せなくなる人もいます。また、親から借金を相続してしまったという本人には責任がないパターンもあります。
相手が闇金のような違法業者の場合には、「借りたお金は返さなければならない」という常識はあてはまりません。貸金業法違反、出資法違反という重大な犯罪を犯していて、なおかつ違法労働を斡旋してくるような相手です。
そのような相手に自分だけがルールを守る必要はありません。
しかし、相手は犯罪組織ですので、個人で戦ってもまず勝てません。警察や弁護士に相談して、解決してもらうようにしましょう。警察では借金問題までは解決できませんので、弁護士にも相談することが大切です。
法律事務所の中には、闇金問題については対応できないというところも多いですが、諦めないようにしましょう。闇金に強い法律事務所もちゃんと存在します。