母子家庭に関して、国は援助に積極的です。手当についてざっと列挙してみましょう。
児童手当
児童扶養手当
特別児童扶養手当
障害児福祉手当
児童育成手当
母子家庭・父子家庭の住宅手当、
生活保護
ひとり親家庭等医療費助成制度
乳幼児や義務教育就学児の医療費助成
遺族年金
いかがでしょう。紹介しただけで、10もの項目があります。「児童手当」については、後日、別ページで解説するとして、今回はそれ以外に代表的な「児童扶養手当」「ひとり親家庭等医療費助成制度(また「こども医療費助成」)について解説していくので、ご参考にどうぞ。
「児童扶養手当」とは何か
母子家庭、父子家庭――いわゆる「ひとり親家庭」に対して支給される補助です。
支給対象者は?
「0歳から18歳に到達して最初の3月31日(年度末)までの間にある者」が支給を受けられます。「ひとり親家庭」と見なされるのは、次のような子どもがいる家庭となります。
・父母が離婚した子
・父または母が死亡した子
・父または母が重度の障害を有する子
・父または母が生死不明である子
・父または母に1年以上遺棄されている子
・父又は母が裁判所からDV保護命令を受けた子
・父または母が法令により1年以上拘禁されている子
・婚姻によらないで生まれた子
・棄児などで父母がいるかいないかが明らかでない子
児童扶養手当はいくらもらえる?
気になる手当の額について。これに関しては、子どもの数だけでの単純計算ではなく、扶養人数によっても異なってきます。また所得によっても制限があるので、一概にいくらとは言えません。支給区分としては「全額支給」「一部支給」「不支給」の3つがあります。
全部支給の場合
子どもが1人の場合…月額 42,000円
2人の場合…月額 47,000円
*3人目以降は1人増えるごとに月額3,000円が加算されます。
一部支給の場合
所得制限等によって一部支給となる場合は、次のように金額にばらつきが出てきます。
子ども1人の場合…月額 9,910円から41,910円
2人の場合月額… 月額14,910円~46,910円
*3人目以降は全額支給の場合と同様、1人増えるごとに月額3,000円が加算されます。
「ひとり親家庭医療費助成制度」とは
ひとり親家庭にとって、医療費の捻出が経済的に困難なときもあります。そのために「ひとり親家庭医療費助成制度」が設けられている市もあるので、よく調べてみましょう。
具体的な内容については、これもやはり地方自治体によって異なります。
各種医療保険の自己負担額から、一部の自己負担額を除く医療費が助成されるわけですが、それ以上の優遇を受けられる市町村もあります。ここで画一的に「こんな助成がある」とは言えないので、やはり詳しいところについてはお住いの市町村の窓口に問い合わせてみてください。
「こども医療費助成」について
上で触れた「ひとり親家庭医療費助成制度」に関しては、所得制限があります。場合によっては、この補助が受けられない家庭もあるでしょう。しかし、そのようなときにも「こども医療費助成」に該当するケースあるので、忘れずにチェックしておいてください。
大きな違いは、「ひとり親家庭医療補助助成制度」が家庭に対してなされる補助であるのに比べて、「子ども医療費助成」に関しては、子どもに対してなされる補助である点です。自治体によって対象年齢が異なるので、繰り返しになりますが詳しくはご自身でお調べを。
「子ども医療費助成」の対象者には、一部の医療費に関して助成があります。
病院に行ったり、入院することでかかった保険診療による医療費の自己負担額が安くなります。しかし、ほとんどの場合で「差額ベッド代」「入院時食事代」「保険診療以外の医療費」「健康診断費用」は助成の対象外となってしまうので気を付けましょう。
所得制限に関しては、これが定められている自治体とない自治体とがあります。
その他のひとり親家庭における減免・助成制度など
住民税の減免
ひとり親家庭で、所得が前年と比べて大幅に減った場合、あるいは生活保護を受けることになった場合には、住民税が減免されることもあります。
国民健康保険・国民年金の免除
これはひとり親家庭に限った話ではありませんが、生活するのに十分な所得が得られていない場合、あるいは病気などで生活が困難となった場合には、国民健康保険の減免や、国民年金の免除という措置を受けられます。
電車・バスの割引
ひとり親家庭にとっては、ちょっとした交通費の捻出も経済的な負担になり得ます。「児童育成手当」を受給している方は、自治体によっては、電車やバスの割引を受けられることもあるのでよく確認しておきましょう。
何らかの理由があって子どもを一人で育てている家庭も、国や地方自治体からこれだけの助成や補助、割引等を受けることができます。今は決して、シングルマザーも子どもを育てられない時代ではありません。あらゆる制度を有効活用して、子育てに励みましょう。