生命保険の滞納には気を付けましょう。保険契約を失効すれば、単なる「払い損」になってしまいます。でも、もし支払いが難しくなった場合にはどうすればいいのでしょう?
生命保険料滞納~「失効」までの猶予期間は
何か事情があって保険料を滞納してしまった場合、すぐに保障が打ち切られるわけではありません。「失効」までには、最大、2ヵ月の猶予があります。それまでに支払いを済ませればOKです。
要は、2ヵ月までにどうにかお金をかき集めればいいと言うことですね。
一般的に、月払いの場合、支払い月の翌月末が期限とされます。つまり、2回分の保険料を滞納してしまうと「失効」になってしまうわけですね。半年、あるいは年払いの場合でも2ヵ月が猶予期間とされていることが多く、それ以上滞納してしまうと「失効」となります。
生命保険の「失効」とは何か
「失効」とは、簡単に言えば、「保障がなくなること」です。もし2ヵ月以上保険料を滞納した場合には、無保険状態となります。失効中に病気になってしまった場合は、保障の対象外です。死亡保障も、医療保障もおりません。
では、たとえば「保険が失効してしまった次の日に重い病気になってしまった場合」に関しては、すぐに保険料を払っても、多くのケースで保障の対象外になります。
明日何が起こるかは、誰にもわかりません。保険料は、期限までに必ず支払うべきです。
生命保険料滞納中に「保障」はある?
生命保険の滞納に関しては、2ヵ月の猶予があると上でお話ししました。
では、その滞納中の期間には、はたして「保障」の方はどうなっているのでしょうか?
答えは「有効」です。滞納期間中は保障が継続しています。失効するまで(保険料支払い月の翌月末まで)は、契約した内容の保障が受けられます。
これはなぜかといえば、たとえば事故、急病などの突発的な出来事により支払いができなかった方を守るためです。実は、そういった理由での猶予期間が設けられているのです。
猶予期間に入ると、保険会社から通知がやってきます。「確認が取れませんでした」「このままでは**月**日に失効になります」といった内容の文章です。親切に何度も通知してくれるわけではありません。その後に届くのは、「失効通知」ということになります。
もしコンサルタントが付いていれば連絡をくれますが、最初の通知が来た時点でささっと支払いを済ませるのが大人の対応というものです。上でも触れたように、失効中に病気になった場合は、過去にさかのぼって保障してくれるわけでもないので、要注意ですよ。
失効した保険契約を復活させるためには
滞納が続いて保険契約を失効してしまった場合には、どうすればいいか。
答えはカンタンです。失効後3年以内までに、滞納した月から現在までの保険料をすべて支払えばOK。ただし、延滞金はかかりますし、再び健康状態を申告する必要があります。
とりわけ、健康状態については保険会社も厳しく確認を取ってきます。もし失効期間中に病気になったり事故に遭ったりしていると、元の契約の状態に戻すことは不可能です。
「解約返戻金」で保険料を立替えれば失効にならない
「ああ、翌月末まで保険料を支払えそうにもない…」
そういうケースでも、失効にはならない場合が1つだけあります。積立型の死亡保険などによくある「解約返戻金」を自動で振り替えて充当する場合です。「解約返戻金」とは、毎月の保険料を支払うたび、その一部を自分の貯金のように貯めて、解約時に貯蓄した金額を受け取れるというものです。
それを滞納分の支払いに充てると、失効は免れます。より単純に考えれば、「保険会社に預けている貯金」とイメージすればわかりやすいでしょう。
ただし、当然この貯金は有限です。これまで支払ってきた保険料に準じて、その額には限りがあります。当然、解約返戻金でも滞納分を支払いきれない場合は、失効となります。
ちなみに、保険を解約するつもりなのに面倒臭がって相談に行くのを忘れていると、どんどん解約返戻金が減っていきます。本来戻るお金も戻ってこなくなるので、ご注意を。
生命保険料を滞納しないためには…?
毎月、そう高くもない保険料を、失効に至るまで滞納してしまうという方は、もしかするとその保険があなたの経済状況に合っていないのかもしれません。
1カ月や2ヵ月、支払えない程度なら猶予期間で守られますが、3か月以降は失効となり無保険状態になるので、もし復活させても継続的な支払いが困難ならば、別の保険に入り直した方が賢明でしょう。
最近はインターネット申込みで安くつく保険会社や、外資系で内容も充実していながら低価格という保険会社も出てきています。民間の保険会社では支払いがキツいようならば月額1000円~5000円程度の国民共済もアリでしょう。総合保障や医療保障、ケガと賠償など様々なタイプから選んで契約できます。
最悪なのは、失効期間中に何かが起きてしまうことです。
無保険で病気、事故、怪我に見舞われることがないよう、毎月きちんと支払い続けられる保険を見つけましょう。