燃費の良い車に乗り換えれば、当然のことながらガソリン代を大いに浮かせることはできるでしょう。
しかし、実際に車を買い替えるのは誰にとっても簡単なことではありませんし、またエコカーに乗り換えたとしても、車両価格自体が、前の車から浮いた燃費を上回ることもあります。
ここでは、「エコカーへの買い替え」という案は、横に置きましょう。
では、今持っている車をどのようにして低燃費車にするか。それを改めて考えて見ます。
燃費節約のための運転中の心得
エンジンがかかっていると、ただアイドリングしている状態でもガソリンは燃えていきます。それは致し方ないことです。が、特にガソリンの燃焼が激しくなるポイントについては注意すべきでしょう。一般的には「発進時」と「加速時」がよく燃えると言われます。
発進時には一気にガソリンが燃える!
車の自重を考えてみましょう。
1トン以上の車を動かすには、どれだけの力が必要か――考えるだけで「それは凄いだろう」とイメージできるはずです。実際、発進時には非常にたくさんのガソリンが燃えます。止まっている車を動かすのは、エンジンにも重労働なのです。
ここで思いきりアクセルを踏み込みと、当然、エコドライブとはなりません。発進時には静かに、静かに車を動かす。これが、「燃費節約」の最大の方法とも言えます。
実は、いわゆる「ハイブリッドカー」もまた、この発進時のガソリン燃焼を抑えることで低燃費を実現しているのです。
専用のモーターを乗せて、低速域の運転にはガソリンを使用せずに済むような作りとなっています。もちろん、各社でその方式に若干の違いはありますが、プリウスも他の車も、ハイブリッドと言われる車は大体こういったカラクリです。
加速な自然な「伸び」を利用する
車に乗っている人なら誰でもわかると思いますが、一度アクセルを踏み、その角度でずっと足を乗せ続けていると、車は自然と加速していきます。わざわざベタッと踏み込んで回転数を上げなくても、自然と「伸び」が出てくるのです。
静かに発進して、交通の流れに乗るときにも、それが分かっていればなるべく燃費を押さえて加速することができます。
エアコンの使い方に注意
エアコンを付けていると、どうしても燃費は悪くなります。
それ自体がガソリンを食うということよりも、どうしても発進時や加速の力が弱くなり、アクセルを踏みこまなければ車を動かせなくなることが問題なのです。窓を開けて送風するなどして、室温調整を…。
エンジンブレーキで減速する
現在流通しているほとんどの車は、エンジンブレーキがかかるようになっています。
アクセルから足を離してエンジンブレーキを使っていると、その間はまったく燃料を使わないので、これも燃費向上に繋がります。ちなみに渋滞時ブレーキを踏んでは止まり、発進する…という繰り返しは実は低燃費の最大の敵ですが、こればかりは仕方ありません。
整備・点検による燃費向上
オイル交換で燃費向上する…かも
ちゃんとしていますか?オイル交換。
点検のときにしてもらうだけ、という人も多いのではないでしょうか、原則、オイル交換は3000キロに一度は必ず行うべきです。それほど走らない人でも、半年に一度の頻度で交換はしておきたいもの。
オイルの汚れがピストンに詰まると動きが鈍くなって燃費にも影響しますし、エンジンが焼きつく恐れもあります。安ければ1回3000円くらいの費用なので、ケチらずに行いたいものです。
余計な荷物は積まない
車自体の重みが増すと、当然燃費にも影響します。
いつ何があるかわからないから、と使うのか使わないのかわからないようなものも、沢山詰め込んでいませんか? 傘と寝袋、それくらいで大丈夫です。余計なものを詰んで、車を重くするなかれ! ですね。
暖機運転は要らない?
エンジンを暖める「暖機運転」については、欠かさず実践する人と、まったくしない人(「そんなこと知らなかった!」)という人に分かれます。
これはしかし、燃費のことを考えたときには決して良いとも言えない行為です。暖機運転すると、実際に走りだすまでに100ccが燃えるとも言われています。
ただ、エンジン寿命を考えたときには、暖気は必須ではあります。目先の燃費よりも「長く乗れること」が大事ならば、暖機運転も行った方が良いでしょう。
その給油、待った! ガソリン代を少しでも安くする方法
近くのガソリンスタンドで、適当に給油する…というスタイルでは、ここまでに紹介したあらゆる省燃費術を駆使しても、あまり意味がありません。
燃費節約のためには、やはりスタンドもよく吟味する必要があるでしょう。昔のように「安いガソリン」などはもうない時代なので、油の質については変わりませんが、値段は地域でかなり変わってきます。
現在はネットで調べれば、地域でどこが一番安くガソリンを入れられるか、必ず情報が出てくるでしょう。割引のある日などを頭に入れておくのも大事です。ただし、安いスタンドを求めて10キロも遠出すれば本末転倒なので、なるべく生活圏の中で探しましょう。